今年6月に開かれた全国司教会議の中で、「日本の保護者」についての確認がなされたそうです。聖フランシスコ・ザビエルなのか、被昇天の聖母なのか諸説あったそうですが、中央協議会が過去の文書を調べた結果、聖フランシスコ・ザビエルに落ち着いたそうです。日本の保護者である聖フランシスコ・ザビエルがアンジローやコスメ・デ・トーレス神父らと日本に上陸したのは1549年の8月15日のことでした。それ以来、多くの宣教師が福音を伝えに来日します。それらの宣教師の信仰と艱難辛苦のおかげで、今の私たちの信仰があるわけです。

15日、私たちは いろいろな思いで毎年この日を迎えるのではないでしょうか。多くの人にとっては亡くなった身内を思う日であり、第2次世界大戦の敗戦の日でもあります。日本の戦争は聖母の祭日に始まり、聖母マリアの祭日に終了したのです。そんな不思議さを日本の教会は持っています。

先週8月9日は長崎原爆投下の日でした。今は亡き教皇ヨハネ・パウロ2世が来日された折に、広島から世界に向けてなされた、あの『広島平和アピール』を思い出されます。今年、日本を賑わせた沖縄問題の現状を知れば知るほど、戦争はまだ終わっていないと考えさせられます。戦争を体験している人口は減ってきていますが、心ある人が体験談を語ってくれています。皆さんにぜひ、読んでほしいのは「カトリック生活」8月号の特集”8月9日・長崎 それから、そしてキリスト”です。<信仰の面から被爆体験に焦点をあてよう>という編集方針で取材した貴重な特集号だと思います。特に12ページの本田富枝さんの証言「心の平安のうちに生きていく」は必読です。ぜひ、お読みくださるよう、お勧めいたします。

8月9日午前11時2分、聖母被昇天の祭日を迎える準備のために浦上天主堂でゆるしの秘跡に与っていた信徒たちと西田三郎(55歳)・玉屋房吉(28歳)両司祭のご冥福を祈りながら、私たちも今日の祭日を過ごしたいものです。

主任司祭 松尾 貢
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