横浜教区の司教座聖堂である山手教会は、その前身である居留地時代の教会創立が1862年ですから、2012年に創立150周年を迎えることになります。私たちの鷺沼教会は創立35周年を数年前に迎えたばかりで、他の小教区と比べればわりと若い教会といえます。

今日お祝いしている聖霊降臨の祭日は「教会の誕生日」ともいわれます。この呼び名は、“教会は聖霊によって生まれる”という神秘をよく言い表していると思います。ところで、「教会」と訳されているもとの言葉はギリシア語の「エクレシア」で、“呼び集められた人々”という意味です。神さまによって呼び集められた人々、神さまがさそってくださった人々、それが教会なのです。

「たまたま夫がクリスチャンだった関係で自分から来たのです」という方もおられるでしょう。「区民コーラスで宗教音楽を歌っていて、キリスト教に興味があったので来ました」という方もおられるでしょう。しかし、どんなきっかけや要因があったにせよ、その根底には、神さまからの招きと呼びかけがあって集められた私たちなのです。
神さまが呼び集めてくださったのですから、この集まりは老若男女、国籍や背景、性格や好き嫌いを超えるものです。好きな人たちのサークル活動でも、似たような背景や趣味をもつ者同士の仲良しグループでもありません。教会は神さまが呼び集めたもの、その中でご自身が働かれるためにと召集された、神さまの体なのです。

五旬祭の日、弟子たち一人ひとりの上に聖霊が降りました。呼び集められた弟子たちは、聖霊によって新たにキリストの体として生まれました。これが聖霊降臨が「教会の誕生日」と呼ばれるゆえんです。
神さまによって呼び集められた私たちが、多様性の中での一致を目指して聖霊の賜物を祈りながら努めてまいりたいものです。

主任司祭 松尾 貢
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