教皇フランシスコは、2021年から7月の第4日曜日を「祖父母と高齢者のための世界祈願日」と制定されました。4年前から世界的に大流行したコロナ感染症によって、皆さんの祖父母や高齢者の方々が入院してもお見舞いに行けず、その最後も見送れなかった家族がいます。このような有様から苦しむ人に寄り添えないということは、愛といつくしみを示すべきキリスト信者としての生き方ではありません。そこで祈りをもって祖父母や高齢者の皆さんを支えていくことがこの祈願日の目的です。
私も司祭として、ここ数年、高齢者施設に入所されていた方や病院に入院されていた方、そしてその家族などから病者の秘跡やご聖体を授けるために来てほしいという依頼を何度も受けましたが、施設や病院から他の高齢者や患者への感染を懸念され、面会すら断られたケースがほとんどでした。
ですから、司祭が面会できないだけでなく、家族すら面会できないで過ごされた時間は、高齢者の方々にとって、大変に辛く寂しいものがあったと思います。
今年に入って、ようやくコロナ感染症が減少してきたことから規制も緩和され、施設や病院などでも司祭が面会できるようになりましたが、以前の大変だった時を教訓として、私たちは祖父母や高齢者の方々を大事にし、辛く寂しい思いをさせないようにしなければならないと思います。
ここ最近、都筑教会に高齢信者の方々が少しずつ戻って来て、皆さん、喜んでミサに与り、仲間との交わりの時間を過ごしています。これからも高齢信者の皆さんが楽しく充実感をもって教会で過ごせるように、若者も含めて一緒に考え、共に歩んでいける教会にして行けたらと思っています。
もちろんコロナ感染症で亡くなった信者の方や病院に入院されたまま、あるいは施設に入所されたまま亡くなった信者の方もかなりいますので、彼らの永遠の安息を祈るとともに、これからは都筑教会に来られない高齢信者の方に対しては、都筑教会として出来ることで支えていき、私も主任司祭として、喜んで出向いて、病者の秘跡やご聖体を授け、励ましていけたらと思っています。(Laudate参照)
主任司祭 西本 裕二