アイキャッチ用 小坂神父の今週の糧

新年おめでとうございます。神様の恵みと祝福が皆さんのご家族とお一人おひとりの上にあるよう祈ります。

毎年元旦は「世界平和の日」と定められ、平和のために祈り、働くように促されます。教皇ベネディクト16世は、この日のために去る12月8日「平和は真理のうちに」と題するメッセージを出され、多くの考察点を与えて下さいました。

先ず、平和は単なる武力紛争が存在していないというだけではないと指摘し、公会議文書「現代世界憲章」から「平和とは、人間社会の創立者である神によって、その社会の中に刻みこまれ、つねにより完全な正義を求めて人間が実現していかなければならない秩序の実りである」(同書78)ことを理解すべきだと説かれます。そして、聖アウグスチヌスの有名な言葉「平和は秩序の静けさである」を引用して、平和が神に基づき、私たち人間が最終的にすべてを超越した同じ行き先に向かっていることを意識する必要があり、そこに平和が見えてくると教えます。

平和の実現を妨げる者は「二枚舌を使う輩であり」聖書の始めから最後のページまでこれについて述べており、「すべて偽りを好み、行なう者は都の外にいる」(黙示録22・15)とあるように、個人の生涯や民族を破壊し、搾取と殺害を家族と共同体全体に及ぼしたのであると教えています。

特にカトリック者に対して、「神は、救いの手を差し伸べる愛なのです。優しい父として、ご自分の子供たちが互いに兄弟姉妹として認め合い、それぞれが多様な才能を人類家族の共通善のために生かすように責任をもって働くことを願っておられるのです。」(同メッセージ11)と勧めています。

また、教皇ベネディクト16世は、先日のクリスマス・メッセージにおいて「技術の中に生きる人間は、自らが作り出した知的・技術的成果の犠牲となる危険にさらされています。人々は霊的貧困と心の虚しさを感じています。だからこそ、私たちにとって、自分の思いと心をキリストの誕生に向けて開くことが、とても重要なのです。神の栄光は布にくるまって飼い葉桶に寝かされている、貧しい幼な児に隠されています。」と述べられたあと、聖アウグスチヌスの言葉を引用して、「人よ、目覚めなさい。神はあなたのために人となったからである」と叫んでおられます。

私たちは、この平和のメッセージに従い、一番身近な人類家族である家庭において、福音に耳を傾け、交わり、赦しあい、助け合って、平和の元后であるマリア様に親愛の情と子としての信頼を込めた眼差しを向けながら生きていかねばなりません。

主任司祭 小坂正一郎

なお、この2つのメッセージはカトリック中央協議会のWEBサイトでご覧になれます。

1.「平和は真理のうちに」
2006年「世界平和の日」教皇メッセージ (カトリック中央評議会のHP)
2.クリスマス・メッセージ
2005年12月25日の降誕祭メッセージ(ローマと全世界へ)(カトリック中央評議会のHP)

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