アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

10月はロザリオの月、10月7日はロザリオの聖母の記念日ですので、ロザリオについて触れてみたいと思います。

チリの落盤事故で救出を待っている33名の労働者について連日、報道がなされていますが、九月上旬の毎日新聞の夕刊に次のような記事がありました。

30代後半の労働者が家族に書いた手紙が紹介され、「欲しいものは二つ。2歳の娘の写真とロザリオ」とありました。ロザリオの説明として“カトリック教会で使う数珠のようなもの”という説明が付記されていました。「数珠」とは、わかりやすい説明です。長崎ではロザリオのことを別名、コンタツといいますが、ラテン語のCONTARE(数える)に由来します。数珠を祈りに使う伝統は諸宗教でしばしばみられる現象ですが、キリスト教の祈りの歴史のなかでも、主の祈りを小石や木の実、穀物の種子などを繰りながら唱える例もありました。

11世紀から、短く反復できる祈りとしてアヴェ・マリアが普及し、シトー会士によって広められていきました。当初は一日にアヴェ・マリアを150回唱えることが原則とされていましたが、やがて一日50回と限られることになります。13世紀初頭、カタリ派の異端との戦いの中で聖ドミニコがロザリオの祈りを広めたと言われています。10回アヴェ・マリアを唱える毎に1回、主の祈りを挟む方法を始めたのは14世紀のカルトゥジオ会修道士でした。さまざまな実践から、アヴェ・マリアの祈りに加えて、マリアと関わりの深いイエスの生涯の出来事を黙想する方法が考案され、現在のロザリオの形になっていきました。

マザー・テレサはロザリオに関して次の言葉を残しました。

「人々はこれ以上、祈りについての話を聞きたくありません。実際に、あなたが祈る姿を見たいのです」
「人々は、ロザリオを手にして貧しい人々のところへと急ぐ修道女の姿を見たいのです」

マザーの言葉を胸に、ロザリオを手にとって祈ってみましょう。

主任司祭 松尾 貢

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