日本の優れた文化の中には、数多くのすばらしい慣わしがあり、七・五・三はそのひとつであり、もっとも典型的な例証と言えるでしょう。この三歳、五歳、七歳の子供の成長を祝う慣わしは、平安時代に貴族の間で始まり、鎌倉時代になって11月15日と定められ、現代に至るまで盛んに行われてまいりました。
通常、神社で行われる七・五・三の祭儀ですが、キリスト教の教会でもよく行われるようになりました。子どもが健やかに成長するよう、神様に祈ることはすばらしいものですね。両親や友人たちが見守る中、晴れ着を着た子どもたちが主の祭壇の前に出てくる場面は感動的です。そのとき、ご列席の方々の真剣な祈りに応えて、神様は、司祭の手を通して子供を祝福します。
七・五・三の儀式そのものが意味深く感動的ですが、教会で行われる時は、主イエス・キリストの光を受け、いっそう輝かしいものとなるのです。
千歳飴をいただいて、子供たちはとてもうれしそうな顔を見せますが、その顔を見て、大人たちはその胸の中で、「この子の将来はどんなものとなるだろう……」と問いかけずにはいられないかもしれません。しかしその気がかりな心を、神様は見ておられ、必ず祝福してくださいます。
先週、サレジオ学院幼稚園の子供たちは、学年別に鷺沼教会を訪れ、七・五・三の式典を行いました。とてもきれいで、感動的でした。そして、今日、満三歳、五歳、七歳になった教会の子供たちも七・五・三を行います。この式は、子どもたちが身も心も健やかに成長し、将来教会の立派な担い手となるように祈るよいきっかけではないでしょうか。
こうして教会で行われる七・五・三に与るとき、私たちは、キリストの光を受け、その光によって輝く日本の文化と接して、キリスト教のインカルチュレーション(文化受肉)の典型的な例証と出会い、驚きと感動を覚えます。