行きなさい、主の平和のうちに

アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

ミサの最後に、「行きましょう。主の平和のうちに」という言葉で司祭はミサを締めくくります。文法的にいえば、1人称の複数命令文です。

しかし、他の言語では2人称複数形の命令文になっています。

「 Andate in pace 」イタリア語
「 Ite missa est 」ラテン語
「 Go, in the peace of God 」英語

日本語訳でははっきりしませんが、他の言語では「行け」「行きなさい」という“派遣”の言葉であることがはっきりしています。

このことは、週の初めである日曜日に、私たち一人ひとりが、神様から、教会から、各家庭、各職場、各々の人間関係の中へ派遣されていることを表しています。それぞれの場で、神さまの喜びと福音を人々に伝えて、また教会に戻ってくるわけです。そういう意味では、各人はかけがえのない使命をもって派遣される宣教者であり福音の担い手であるといえます。

私たちは普通、「家から教会に行く」という捉え方をしますが、ミサ典文の精神からすれば、「教会から各家庭、各自の持ち場に派遣される」という方が正しいわけです。

毎年この時期になりますと、次年度の教会役員や世話役を決める必要があります。しかし、どうしても家庭や仕事などの諸事情で教会内の役員や種々の仕事を引き受けることができない方もおられることでしょう。その場合でも、「私は教会からこの仕事、この場に派遣されているのだ」という意識を忘れないでください。神様から与えられた使命をいただいてあなたしかできない場に派遣されているのです。そして、派遣元の教会のことを思い出してほしいのです。

教会内の諸活動や役割を担っておられる方々は自分自身派遣されている身でありながら、なおその上に、後方支援のさまざまな奉仕職を担っておられるわけです。そのご苦労に感謝しながら、今後ともこの大切な奉仕職を担ってくださるようお願いいたします。

主任司祭 松尾 貢

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