今月の3日から9日間、サレジオ会、サレジアン・シスターズの黙想会指導のため、モンゴルのダルハン市に行ってまいりました。この都市は、人口7万人ほどで、首都のウランバートルから220キロの北にあり、国で2番目の大都市だそうです。旧ソ連時代に建てられた殺風景な建物が立ち並んでいますが、現代的な建築もあり、伝統的なゲルも多く見られます。雨季だったので、ひんやりとしていましたが、他の季節とは違い緑が豊かでした。
ダルハン駅にはシベリア横断鉄道の駅があります。60車両以上の長い貨物列車はゆっくりと駅を出るとき、耳が痛くなるほど大きな汽笛の音を町中に響かせます。道を歩いていると酔っている人に出会うことがよくあり、モンゴルは、非常に寒い(冬は零下45度にもなります)からでしょうか、アルコール中毒の人の多い国だと感じました。
さて、1991年複数政党制を導入、社会主義を事実上放棄し、政権が交代した翌年、共産政権の70年間にすべての宗教がほとんど姿を消してしまったモンゴルに、宣教師が入り、2001年にサレジオ会、2006年にはサレジアン・シスターズも入国しました。
現在、モンゴル教区には、司教に協力する20名の司祭、およそ60名の修道士や修道女がいますが、全員外国人宣教師です。信者数は600人ほどしかいませんので、現地の信者はモンゴル教会のことを Baby Church と呼んでいます。1996年献堂された司教座聖堂は、どっしりとした大きなゲルの形をしています。
サレジオ会はウランバートルでは学校と職業訓練校、ダルハンでは小教区をやっていますが、現在、新しい教会を建設中です。
厳しい環境の中でがんばっている宣教師には頭がさがります。彼らに激励や黙想、指導のことばを申し上げるのは心苦しいことでしたが、自分なりに最善を尽くしたつもりです。しかしながら、やはり彼らからいただいた心の糧が、彼らに差し上げたものより、大きなものだったと感ぜずにはいられません。神に感謝。
モンゴル教会の上に、神の祝福と聖母のおん取次ぎを願っています。