教会一致と聖フランシスコ・サレジオ

アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

「私どもはキリスト者としての愛によってこそ、ジュネーブの町の壁を震撼させなければなりません。愛の力をもって揺さぶり、愛の力を持って取り込んでしまうのです」(聖フランシスコ・サレジオ)

聖フランシスコ・サレジオは1602年にジュネーブの司教に任命されます。しかし、ジュネーブはカルヴィン派の中心地、そこに住むわけにはいきません。60キロ南のアンネシーに拠点を構えて、カルヴィン派になったレマン湖南岸シャブレー地方の住民をカトリック教会に戻すのに尽力します。そのときに司祭たちに語りかけたのが上記の言葉です。人の心は議論や理屈で勝ち取ることはできない。愛情と親切、柔和の徳でしか、人の心をつかむことはできないのだ、というサレジオの信念がよく現れています。

聖人の弟子で、のちに司教となったカミュー師もまた以下のように証言しています。「相手に、自分の宗教思想を自由にのべるゆとりを与えていました。時として改革者たちが無礼なことやおかしいことを言い立てることがあっても、彼は軽蔑や不快な感じを示すことなく、忍耐強く聞き入っていました。そのために、改革者たちも彼の言葉を聞くようになりました」。

教会一致週間(1月18日~25日)の期間中に聖フランシコ・サレジオの記念日(1月24日)があることは、実に意味深いことといえます。

神奈川2地区の中に鶴見教会がありますが、鶴見教会を担当し、聖ヨセフ学園の経営母体であるアトンメントのフランシスコ会は教会一致(エキュメニズム)運動促進のために創立された修道会です。したがって、今日22日は鶴見教会でも近くのプロテスタント教会と一緒に祈祷週間を行なう習慣があるそうです。私達鷺沼教会では、特別な行事を行っていませんが、聖フランシスコ・サレジオの名前をいただく修道会担当教会のメンバーとして、「相手の言い分を良く聞き、親切に対応することから始まるのだ」という聖人の言葉を肝に銘じたいと思います。

主任司祭 松尾 貢

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