待降節、「救世軍」社会鍋の季節

アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

今年も11月13日に救世軍の方が2トントラックで見えて、鷺沼教会バザーで残った古着や献品を引き取っていただきました。本当に有難いことで、助かっています。救世軍という団体は1865年英国のメソジスト教会の牧師だったウイリアム・ブースによって創立されたプロテスタントの1派です。この団体には、二つの特徴があります。

①創立当初より、貧困にあえぐ人々、搾取されている女性たち、お酒のために身を持ち崩した人々、十分な世話や教育を受けられない子どもたちなどへの様々な福祉活動、災害支援活動に励んでいます。
②「キリストの愛の軍隊」という意味で軍隊の組織名を使用しています。教会は小隊、伝道所は分隊、責任者を万国総督大将、日本司令官と呼んでいます。ちなみに鷺沼教会へのお礼の手紙は「救世軍本営、社会福祉部 岡本貴仁大尉」とありました。

救世軍は、日本では1895年(明治28年)から活動を開始し、特に廃娼運動の促進で有名になりました。現代、東日本震災後も女川や志津川への漁船、ウインチ、漁業監視船の提供や市場の建設など活発な活動で注目を集めています。

救世軍司官・山室軍平の名著『平民の福音』の中の“受肉”についての説明をご紹介しましょう。

「救世軍のブース夫人は、まだ12歳の小娘のころ、ひとりの酒酔いが警察にひかれて行くあとから、多くの人々ののしり騒ぐ有様を見て、気の毒でたまらず、せめてはこの広い天地の間に、ただひとりなりともまだこのを見捨てぬ者があることを、知らせてやりたいと考え、つかつかと進み寄ってその男に近づき、その右側に沿うて、警察署までこれを見送ったということである。教育の大家ペスタロッチのことばに『わたしは乞食の子を救うために自分から乞食のような生活をする』というてある。 神様の御子イエス・キリストというお方が、罪とがに悩む私共人間を救うために、天の位をすててこの世にくだり、人間の姿を取って現れたもうたのも、全くこの道理にほかならないものである」。

主任司祭 松尾 貢

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