アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

年末から年始にかけて、鷺沼教会では四名の方を天に見送りました。その中で、故前田徳尚氏と故西田守氏のお二人は鷺沼教会揺籃の時期から教会の成長と共に歩み、尽力していただいた大恩人だけに「一時代の終焉」(ある古参信徒の言葉)と思うのは、所属信徒皆の正直な感じではないでしょうか。

サレジオ志願院が鷺沼にあった時代、前田先生は学期ごとに誕生会を催してくださっていました。中間試験が終わった晩、あるときは前田家で、あるときはレストランで先生ご夫妻と夕食を共にし、楽しい語らいを持ったのは志願生OBにとって懐かしい思い出となっています。そんなとき、先生はよく次のようなことをおしゃっていました。

「外国人の宣教師さんたちは、その方がどんな人であれ、祖国を離れ、遠い日本で宣教生活をおくっている、そのことだけで尊敬に値する」。

函館の少年時代のパリ外国宣教会のフランス人司祭たち、北大医学部時代のドイツ人フランシスコ会司祭たち、鷺沼でのドイツ人、イタリア人、米国人司祭たち、多くの外国人司祭たちとの関わりの中で、強く感じられた意味深い言葉だと思います。

そのことは、昨年の横浜天主堂献堂(日本再宣教)150周年の際に、中島先生の講演や神奈川宿の巡礼を通して私たちが学んだことでもありました。

西田守さんはお父さんが大分のサレジオ会の教会で伝道士をなさっていた関係で、小さい時は扶助者聖母会(サレジアン・シスター)のお世話を受け、中・高は宮崎日向学院にあったサレジオ会の志願院で学んだ関係もあり、サレジオ会司祭やシスター方とのつながりの深い方でした。神父さんの依頼ならば、得意の電気や映写、大工の技術で、どこへでも手弁当で駆けつけてお手伝いをする生き方を若い時から晩年までなさった生涯でした。また、志願生OBとして、志願生を見るそのやさしい眼差しが印象的でした。

現在の鷺沼教会発展に尽くされたお二人の御冥福を祈りながら、その生き様にならいたいものです。合掌。

主任司祭 松尾 貢

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