8月・マリア様の被昇天の月(No.1)

アイキャッチ用 田中神父の今週の糧

8月15日は「聖母の被昇天」をお祝いします。この祝日は1950年11月、教皇ピオ12世によって「信仰箇条」として宣言されました。その5年前に、教皇は全世界の司教たちに「聖母被昇天について教義宣言」すべきかどうかについて諮問しました。司教の98.2%が、賛成票を投じました。教皇は「恵みあふれる神」の憲章を出し、その中で次のように説明しました。聖母マリアの被昇天は、教会の指導的な立場の人たちから出たものではなくて、信者たちの熱い思い・民衆のやみ難い願いから出たものであり、「信仰者のセンス」がその根底にあることを指摘しました。
合理的精神からみれば馬鹿馬鹿しいものかも知れません。しかし、神の子イエス様が御昇天され、世の終わりには「審判者」として来られる時、お母さんのマリア様が裁かれる側に残っていてもよいのだろうか? イエス様は子供としてお母さんのマリア様を裁くことを望まれるのだろうか? 「唯一の栄誉ある花道」として信仰者のセンスが「マリア様の心身共の被昇天」を望んだのでした。

マリア様の御死去について聖書は何も記録しません。聖伝の源とも考えられる聖書外伝に例外なくマリア様の御死去についての言及があります。4世紀には、教会の文書の中でも言及されるようになり、教会の中でもお祝いされるようになりました。5世紀には教会の典礼も作られ、「説教」も現存しています。そして6世紀ごろから、「8月15日」にお祝いする習慣が始まっています。

イエス様は肉体とともに御昇天されました。イエス様のお体は、マリア様のお体の分身です。キリスト様の体の中には「マリア様の血」が流れているのです。ですから当然のこと「マリア様は心身共に」天にあげられるべきであるという「信仰者のセンス」を教会は、正しいと判断したのでした。

8月15日は、ザビエルが鹿児島に上陸した記念日であり、終戦記念日またお盆でもあります。いろんな人たちを思い出しながら、いつの日か天国でイエス様・マリア様のもとに再会できることを心から祈りましょう。

主任司祭 田中次生

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