アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

神奈川県大和市に聖セシリアという幼・小・中・高・短大を擁する総合学園があります。この学校はミッション校ですが、設立母体は修道会ではありません。熱心なカトリック信徒であった伊東静江女史によって昭和4年に創立された学校で、当初は大和学園という名称でした。それが創立50周年を期して、昭和54年に聖セシリアと校名を変更したのです。
この変更で、学校がミッション校であることがすぐ分かるようになりましたし、聖女セシリアがカトリックの世界では名高いということもあり、功を奏した決断だったと評価されています。ローマにはサンタ・チェチーリア(聖セシリアのイタリア語読み)という有名な音楽院もあります。

聖セシリアは3世紀のローマの殉教者です。夫バレリアーノとその兄弟ティブルチオを洗礼に導いた彼女は、迫害下、訴えられます。官憲は3人をサウナのようなローマ式の風呂場に閉じ込め、24時間ずっと火をたき続け、湯気で窒息死させようとしましたが、彼女は死にませんでした。仕方なく死刑執行人は刃物で彼女の首に切りつけました。3回切りつけても彼女は死なず、4回切りつけてはならない定めだったので、セシリアは苦悶のうちに3日後帰天しました。

伝承によると、1599年、カタコンベで腐敗していない彼女の遺体が発見されました。それは顔だけうつむき、両膝を合わせて、静かに横たわっていました。そして右の手は3、左の手は1と、手の指で三位一体の神様への信仰を表していました。彫刻家はそれをもとに像を造りました。現在、その像はトラステベレのサンタ・チェチリア教会とサン・カリストのカタコンベで見ることができます。

聖セシリアは昔から音楽の保護者として仰がれ、ハープを弾いている姿で描かれています。それは伝記の中の一つの文章によるものです。
「セシリアは心のうちで、神に音楽を奏で、賛美していた」。
チャリティーコンサートが行われる今日、私たちも毎日の自分の仕事や務めを神様への賛美として、お捧げするようにしてまいりましょう。

主任司祭 松尾 貢

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