2026年の完成を目指しているスペイン・バルセロナの大聖堂「サグラダ・ファミリア」。その最終段階がどのようになるのかを空撮と3DCGを駆使した動画が公開されています。現在でも、その迫力に圧倒されますが、完成後はどうなるのでしょうか。“動画、サグラダ・ファミリア”で検索して、鑑賞なさってみてください。ワクワクするような動画です。
百数十年たっても未完成なのに、2026年完成という根拠はどこにあるのでしょうか。工事が長引いた要因は、第1に資金不足、第2に戦争による政情不安でした。しかし、現在のような観光客による入場収入があと12年続けば、2026年完成は問題なく達成できるそうです。
さて、ガウディの列福運動が行われていることをご存じでしょうか。「建築の偉大な書物は自然である」。自然の中に隠れている美を発見すること、それが建築家の使命だというのがガウディの考え方です。彼のこの見方は、自然とは神の創りだした偉大な芸術作品であるという信念に裏付けられています。31歳で突如大聖堂の建築を委ねられたガウディは開口一番「この聖堂は神の家、祈りの家です」と、自分の構想を説明し始めたと言われています。
東の生誕のファッサードでは、救世主の到来を人間だけではなくあらゆる生き物が喜び祝っています。音楽を奏でる天使たちの修復と制作は日本人彫刻家・外尾悦郎氏の作品。他に2人の日本人男女もスタッフの中に含まれています。西には受難のファッサード。スペインの前衛彫刻家が腕をふるっています。南正面の栄光のファッサードは未完ですが、クレド(信仰箇条)の文字を昼夜輝かせる趣向が考えられているようです。ある日、ガウディはノートと図面を開いて助手に言ったそうです。「見えるかい。この頁にはキリスト教教理がすべて含まれている」と。
―― 父なる神さま、あなたはあなたの僕・建築家アントニオ・ガウディに、創造物への大いなる愛と御子の救いのみ業を表す、燃えるような情熱を注がれました。聖霊の恵みにより私にも良い仕事ができるようにしてください。あなたの僕なるガウディの執りなしで、私の願いを叶えることによって、アントニオ・ガウディに栄光をお授けください。
(「列福を願う祈り」より抜粋)