先日実施された2回の地区懇談会、質問コーナーでは、病者の塗油や葬儀、納骨、またその費用。教会における結婚や離婚、前婚無効の手続き、パウロの特権など、話題は多岐にわたりました。その中で、「ブラザーってどんな人ですか」という質問がありました。「シスターの男版」ですね、と笑って答えましたが、詳しく説明したいと思います。
教会は“信徒”と“聖職者”(司教・司祭・助祭)から構成されています。この双方から修道生活に召される人がいます。女性信徒で修道生活に入った人が修道女(シスター)で、男性信徒で修道生活を選んだ人が修道士(ブラザー)です。一方、聖職者で修道生活に召された人を修道司祭と呼び、イエズス会司祭、ドミニコ会司祭、フランシスコ司祭、サレジオ会司祭等がいます。また、聖職者で修道者ではない多くの人は教区司祭です。神奈川第2地区でいえば、鶴見と鷺沼の司祭は修道司祭、百合ヶ丘、菊名、藤が丘の司祭は教区司祭です。
多くの男子修道会は司祭会員と信徒会員(ブラザー)によって構成されていますが、信徒会員(ブラザー)中心の会もあります。例えば、鹿児島や函館のラ・サールという名門校の設立母体となっているのは「キリスト教学校修士会」(通称ラ・サール会)です。横浜や静岡で聖光学院という有名校の設立母体となっているのは「キリスト教教育修士会」です。近年、ブラザーの召命は急激に減少しており、ラ・サール会などは1965年時点では世界中に17,000名の会員がいましたが、2015年度は4,600名となっています。
先日、6月17日に別府サレジオ・ハウスで新界政造修道士が神様のもとに召されました。葬儀の記念の聖句は「よくやった。善良で忠実な僕よ、お前は僅かなものに忠実であったから、多くのものを管理させる。さあ、お前の主人と喜びを共にしなさい」(マタイ25:23)が選ばれました。実に故人にふさわしい聖句だと思います。ブラザー新界はクリスマスや復活祭になるとサレジオ学院の事務の方々をさそって、鷺沼のミサに参加しておられました。「サレジオ祭のバザーの残り物だけど」と、毎年多くの衣類などを教会バザーのために車で運んでくださっていました。鷺沼教会の陰の恩人だった新界修道士のためお祈りください。