先月初旬、箱根仙石原で行われた横浜教区司祭研修会中、韮崎教会主任司祭ヤコブ金度淵(キム・ドンヨン)師が帰天されました。あまりの突然の悲報に司祭団、韮崎や新子安教会信徒は悲しみに沈みました。享年47歳の若さでした。師は2000年にソウル教区司祭として叙階され、2004年新設された議政府教区に移籍。2010年12月に来日。日本語研修、山手教会協力司祭、新子安教会、2014年から韮崎教会主任司祭として信徒や幼稚園の園児たちに慕われる若手司祭でした。金師が宣教師として日本に行くと家族に告げた時、お母さんとお姉さんは断固反対したそうですが、弟の日本行きの決意は変わらなかった、と山手の葬儀の際、お姉様が話しておられました。
梅村司教様は11月14日横浜カテドラルで行われたヤコブ金師の葬儀ミサを司式した後、15日から韓国仁川で行われた日韓司教会議に出席。18日金曜日、議政府教区カテドラルで行われた金師の葬儀・告別式に参列されました。議政府教区司教様が「山に行きましょう」と言われ、何のことかと思っていたら、墓地での土葬だったそうです。葬儀後、議政府教区の司教様は梅村司教様に「故金度淵師の代わりの司祭を横浜教区に送らないといけませんね。2月に教区叙階式がありますから、その時来韓なさって、新司祭や教区の司祭たちの前で呼びかけをなさってはいかがでしょうか」と勧められたそうです。
日本カトリック神学院は現在、東京・福岡両キャンパス合わせて35名。メキシコ・韓国・ベトナムなど外国籍の神学生も含めての人数です。ところが、梅村司教様が訪問した仁川教区の大神学院(文部省の前では仁川カトリック大学)だけでも170名を超す神学生が在籍しているそうです。各教区にそれぞれ大神学校が存在するというのですから驚きです。現在、横浜教区には韓国、フィリッピン、ベトナム、東チモール、アフリカから若手の司祭が宣教師として働いています。3名のベトナムの神学生も日本カトリック神学院で学ぶために日本語の習得に努めています。日本の教会は今や、かつてのように欧米ではなく、新興国からの司祭なしには成り立たなくなっています。やがて、多くの小教区構成員についてもその時代がやってくるのは確実だといえるでしょう。
主任司祭 松尾 貢