ある人がフランシスコ会士に、懸賞でレクサスが当たるようにノベナ(九日間の祈り)をお願いしたそうです。
フランシスコ会士はその人に「レクサスって何ですか」と聞きました。
「高級車ですよ」
「おやおや、聖フランシスコは清貧に反するとおっしゃるでしょうね。残念ながらその種のことのためにお祈りすることはできません」
その人は次にドミニコ会士を見つけました。
「レクサスが手に入るようにノベナをお願いしたいのですが……」
「レクサスって何ですか」
「高級車です」
「おやおや、聖トマス・アクイナス様はこの世の財への執着から身を守るように仰っています。残念ですが、私にはその種のことのために祈ることはできません」
がっかりしたその人は、最後にイエズス会士に頼むことにしました。
「神父様、レクサスが手に入るようノベナをお願いします」
イエズス会士は言った。「ノベナって何ですか」
フランス在住の竹下節子さんのブログに載ったジョークです。普段は政治やテロ、宗教など硬い問題を扱っているブログですが、時折こんな話題も提供してくれます。
竹下さんは東大大学院で比較宗教学を専攻。パリ大学で博士課程を終え、やがてフランス人男性と結婚。知り合いの方の葬儀に夫婦で参列した帰りに、竹下さんはご主人に聞いたそうです。
「あなたも葬儀は教会でしたいの?」。ご主人の答えは「当り前じゃないか」。教会には行かないご主人のその言葉で、竹下さんは受洗を決心したそうです。
フランスに暮らす竹下さんの宗教観は独特の視点と分析力が光ります。竹下さんの最近のブログに見る、自爆テロ、共和党選挙、フランス人新司祭へのインタビュー、アレッポに留まるシリア典礼の司教様についてなど実に興味深いものがあります。
竹下節子ブログ L’art de croire ( http://spinou.exblog.jp/ )、あなたも検索なさってみませんか。
主任司祭 松尾 貢