先月12日、良い牧者の主日の日に、教皇フランシスコはバチカンの聖ペトロ大聖堂で、助祭19人の司祭叙階式を行いました。新司祭19人中8人は新求道共同体の『レデンプトーリス・マーテル』神学校卒、8人がオープス・デイ関係者、教皇庁立ローマ大神学校などの神学校卒が3名でした。19人のほとんどはイタリア出身ですが、クロアチア、日本、ハイチ、ペルーの出身者も含まれていました。
西側先進国における邦人司祭召命に関して、既成の修道会や教区は減少しているものの、新しい修道会やムーブメントの召命が増加しているのは周知の事実です。今回、聖地巡礼に行ってあらためて感じたことですが、これまで聖地の主たる巡礼地や教会は、カルメル山のカルメル会、五つのパンと二匹の魚のアグファの巡礼地はドイツのベネディクト会の管轄を除けば、ほぼフランシスコ会が管理していました。もちろん、エルザレムにはドミニコ会の伝統ある聖書研究所がありますし、イエズス会も存在感を示していて、サレジオ会もナザレトに中高等学校、エルザレムにラティスボーン大神学校を運営していますが、フランシスコ会のプレゼンスが圧倒的に抜きんでています。
しかし、これまでと違う新たな動きを見ることができました。ガリラヤ湖西岸のマグダラ(マグダラのマリアの出身地)に行ったとき、そこは Legionari di Cristo(キリストの軍団)修道会が遺跡発掘、宿泊施設や大聖堂(Duc in Altum“沖に漕ぎ出せ”教会)の建設と管理運営を一手に行っていました。この修道会は1941年にメキシコで創立、1965年に聖座から正式に認められた現在の会員数2千名の新興修道会です。
また、新求道共同体(ネオカテキュメナート)はガリラヤ湖の北、コラジンという昔の街の近くに2000年に“ドームス・ガリレエ(ガリラヤの教会)を建て(落成式はヨハネ・パウロ2世教皇様が司式)、現在は世界から集った神学生たちがその地のレデンプトーリス・マーテル大神学院で学んでいます。聖地にもカトリックの新興勢力が勢いを増しているのを肌で感じた巡礼でもありました。
来週は聖霊降臨の祭日、イエズス様が約束なさったように、教会は聖霊によって導かれていることを信じている私たちですが、私達の想いを超えて、今後どんな教会に変貌していくのか楽しみでもあります。
主任司祭 松尾 貢