​銀座教文館に立ち寄って

アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

夏休みの間、2度ほど銀座教文館に寄ってみた。2階は一般書籍、3階はキリスト教関係書籍、4階はキリスト教関連グッズ(カード、メダイ、ローソク等々)ウインドーショッピングだけでも有意義な刺激を受ける場所でもあります。

先日、3階の新刊書籍コーナーに、教文館7月のベストセラーが並んでいました。第一位は『わたしはよろこんで歳をとりたい』イエルク・ツィンク著(こぐま社刊)でした。2位と3位にはなんと片柳弘史師の著書が並んでいました。2位は『ぬくもりの記憶』教文館刊、3位は『始まりのことば 聖書と共に歩む日々366』教文館刊です。上位10冊の中に片柳師の著書が3冊も入っているのにはびっくりしました。

片柳師は慶応大学を卒業後、すぐにインド、コルコタのマザー・テレサのもとで1年間ボランティア活動をしました。その時、マザーから司祭になるように強く勧められたことが、召命のきっかけになったそうです。その期間に撮った写真をもとにマザー関連の著作と講演活動で活躍してきましたが、最近はそこから脱皮した幅広さが目立つようになってきました。今年6月末に発刊された『ぬくもりの記憶』は心のともしび運動のラジオ番組で話したものがまとめられたものです。

9月1日はフランシスコ教皇によって、「被造物を大切にする世界祈願日」に定められました。片柳師の最新刊の本『ぬくもりの記憶』から、記念日に相応しい随筆の一文をご紹介しましょう。

“厳しい自然を精一杯生き抜こうとしている野の鳥や動物たちの姿を見るとき、わたしたちは命の尊さに心を打たれる。「あいつらは、食べて寝るだけで社会の役に立っていないから、生きる価値がない」と考える人はあまり多くないだろう。社会の役に立とうが立つまいが、精いっぱいに生きているというだけで、それらの命には価値があるのだ。

ところが人間のあいだでは、「社会の役に立つ人間には生きる価値があるが、役に立たない人間には生きる価値がない」という考え方まかり通っている。(中略) 命の価値は、人間が決めるものではない。神によって造られたというだけで、精いっぱいに生きているというだけで、すべての命には限りない価値があるのだ”。

主任司祭 松尾 貢


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