教会一致運動の推進者 ― ポール・ワトソン神父

アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

先日、神奈川2地区鶴見教会の平松神父様から一枚のお祈りカードをいただきました。「グレイモアのポール神父様の列聖を求める祈り」というものです。ポール・ワトソン神父は鶴見教会を担当しているアトンメントのフランシスコ修道会の創立者です。祈りカードの前半部分をご紹介しましょう。

「一致と平和の神よ、あなたは御子キリストのうちに、
罪人には憐れみを、貧しい人々には愛をお示しになります。

そのようなあなたの深い慈しみに心を強く動かされたグレイモアの
ポール神父は、教会一致という使命を先駆者として果たし、
また見捨てられた兄弟・姉妹のために生涯をささげました。

願わくは、この一致と愛の使徒の模範によって、キリストのうちに
なし遂げられるすべてのものの和解を、犠牲をいとわずに推し進め
ようとする心が、私たちに与えられますように」

引用した祈りの中に、“一致”という言葉が3回出てきますが、まさに、ポール・ワトソン師とアトンメント修道会は教会一致のための使徒、ならびに修道会なのです。

米国聖公会の司祭ワトソン(1863-1940)と聖公会信徒ホワイト(1870-1935)によって、19世紀末にニューヨーク郊外Graymoor山麓に男女それぞれの修道院が建てられました。会の名称はローマ書5章11節の欽定英語訳にみられる言葉atonement(和解)に基づいています。この語をat‐one‐mentと読めば、キリストの死によって達成されるすべての人の一致を現わしています。アトンメント会は教会一致促進運動と宣教をとおして、この一致のために働いているわけです。

ワトソン師の発意によって1908年に、教会一致祈祷週間(1月18―25日)が始められましたが、これは今日、キリスト教一致週間として全世界的運動として発展しています。この運動開始の翌年に両創立者は15名の会員とともにカトリック教会に転じ、時の教皇ピオ10世により、そのままカトリック修道会として認可されました。

明日18日から始まる教会一致祈祷週間を鶴見教会の皆様と心を合わせて、祈ってまいりましょう。

主任司祭 松尾 貢

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