教会のゲートの脇にからし種の木があることに気づく。からし種、学名はキダチバコタ、南米原産で花は黄色の花を咲かせラッパスイセンに似ています。イエスの時代からパレスチナにある。
ここに何年前からあるの? だいぶ背丈があるから、ゆうに50年以上経っているのだろう。ひょっとすると、鷺沼教会の誕生からあったのではないかと思います。間違っていたら後で知らせてください。ところで、鷺沼教会ができたのはいつかな。1980年(昭和55年)の教会報4月号を見ると、最初の主任司祭ヨハネ・ダルクマン神父様の巻頭言の中で、「20年くらい前は、この教会の付近はほんのわずかな農家しかない山の中……」とあり、定礎式の写真を拝見すると、5、6人足らずの小さな信者で始まった。隔世の感がする。まさにこのからし種のごとく、大きく成長したと言えよう。人数もさることながら、教会を通して多くの信徒がイエス・キリストに触れ、神に出会い、成長していったのではないだろうか。その中にはすでに、神のもとに旅立っていった。すでに神の国を享受していると確信する。
「更に、イエスは言われた。『神の国を何にたとえようか。どのようなたとえで示そうか。それは、からし種のようなものである。土に蒔くときは、地上のどんな種より小さいが、蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣をつくれるほど大きな枝を張る。』」
主任司祭 長澤幸男