「聖ヨゼフの特別年」そして「愛のよろこびの家族年」

アイキャッチ用 聖家族(ミケランジェロ画)

聖家族(ミケランジェロ画)今年、教皇フランシスコは、「聖ヨゼフの特別年」と並行し、「愛のよろこびの家族年」を開催されました。「聖ヨゼフの特別年」は、教会の保護者として宣言されてから150年を迎えることで制定されたものです。

そして「愛のよろこびの家族年」は、家庭をテーマにした使徒的勧告『愛のよろこび』の発表から5周年を迎えることで制定されたものです。正直、最初は2つの特別年を並行させるのは、混乱し、分かり難いと思っていましたが、実は教皇フランシスコは、意図して行ったものであることが分かりました。それはバチカンの「信徒・家族・命の部署」長官ケビン・ファレル枢機卿が「愛のよろこびの家族年」を前に特別年のねらいと意味を語った中で、新型コロナウイルスの世界的感染が人びとを苦しめている現状を取り上げ、「このような事態が私たちを麻痺させるようなことがあってはならない。むしろこのような時であるからこそ、キリスト信者は希望の証人となる必要がある」と言っております。この言葉に教皇の意向が集約されているように思います。つまりコロナ禍にあって、家庭の大切さを改めて見直すこと、そして私たちは、このような試練にあって、希望をもたらす者になっていかなければならないということを強調したかったのではないでしょうか。

聖ヨゼフは、家族を世話する人の模範として示され、家族年は、家庭の大切さを示しています。ですから並行しているのは、今、私たちキリスト信者が喜びをもって家族や社会の人びとに希望をもたらすことが求められているからだと思います。まさに“燭台の上のともし火の譬え”のように、キリストを照らす世の光となっていかなければならないということです。

主任司祭 西本裕二


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