アイキャッチ用 クリスマス(2021年)

【ご報告】2021年 クリスマスのご報告(動画あり)

「クリスマス」(降誕祭)のご報告です。主のご降誕の光が、一人ひとりの心を照らして下さいますように。

【目次】

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《動画》

(12月25日11時「主の降誕(日中のミサ)」)

●お説教を抜粋したダイジェスト版(約7分)

●全体録画版(約37分)

《お説教書き起こし》

(12月25日11時「主の降誕(日中のミサ)」)

最近、言葉の乱れというものが囁かれております。しかし、その反面新しい言葉というものも生み出されております。若者言葉というものが女子中高生たちによって作られて、新しい日本語が数多く生まれているのも現実で、広辞苑に載るほどであります。

毎年発表されます「流行語大賞」で、よく若者言葉がノミネートされておりますけれども、最近でも「ばえる」とか「バズる」とか――私も最初よく分からなかったんですけれども――面白い言葉がたくさん生まれております。つまり、言葉というのは時代とともに変化するものだと考えたほうが、正しいのではないかと思います。ただいくら変化するとはいえ、人間を不快にしたり、貶めたりするような言葉というものは、いかがなものかと思います。

近年SNSなどで、人を中傷して傷つけるような言葉というものが大変増えております。しかし言葉によっては、人を励ましたり、喜ばせりすることができますので、言葉には力があって、人を生かすことができます。でも使い方によって、反対に人を殺すこともできると思います。ですから、そういったことからも、私たちは言葉というものを、本当に大事に使っていかなければならないと思います。

金子みすゞの作品で、『こだまでしょうか』という有名な詩があります。皆さんもご存知かと思います。この詩は、たったひと言で人は傷つく。たったひと言で人は微笑む。自分が優しく話しかければ、きっと相手も穏やかに答え返してくれる。言葉は人から人へこだまする、というものを歌ったものであります。つまり言葉というのは、それだけで力があって、生きたものであるということを、金子みすゞは言いたかったのだと思います。

私たちは、毎日、神からの恵みによって支えられ、励まされて、生きております。自分の言葉が、力となって人を生かす時に、そこには間違いなく、神の恵みとして働いていると思います。しかし、私たちが語る言葉には、愛のこもった言葉でなければ重みがなくて、本当の意味で力にはならないと思います。

今日の福音のヨハネでは、『最初に言(ことば)があった』と言っております。これは初めに神が言葉によって、この地球も、宇宙も、そして人間も、すべて作られたということです。私たち人間というのは、他の生き物もそうですけれども、ただ偶然に、湧いてくるように存在しているわけではなくて、創造主である神の明確な意思・目的によって、存在しております。これはまさに、命を生み出す神の言葉でありました。

ここで言う言葉というのは、ただの「言葉」という字ではなくて、見ていただくと分かりますように、「言」と書いて「ことば」と読みます。ですから、この言葉は、ただ消えてゆく、忘れられていくものではなくて、神そのものであるということです。そして、その言葉は肉となって、私たちのうちに宿られました。まさにこれが、イエス・キリストであります。そしてこれが、クリスマスの神秘であります。キリストは、神の力という恵みの素晴らしさを私たち人間に示すために、この世にお出でになりました。キリストご自身が力です。そして、その御言葉も、力として、私たちに与えられたのです。これが、クリスマスの恵みであります。

主の御降誕を思い起こす時に、同時に、私たちは、御言葉という神の大きな恵みが与えられたことを、思い起こしましょう。すべての人間、そしてこの世のありとあらゆるすべてのものは、この主の言葉によって生かされているということを、私たちは決して忘れてはならないと思います。御言葉によって生かされている、ということです。

そして私たちは、これからも主の言葉に、喜んで支えていかなければなりません。そして私たち自身も、自分が語る言葉が愛のこもったものとして、本当に大事にしながら、救いの御言葉が一人でも多くの人たちに伝えられますように、このクリスマス、神の言葉に仕える決心というものを、新たにいたしましょう。私たちは、御言葉がなければ死んだものも同然です。御言葉があるからこそ、私たちは生かされているんです。

ですから改めて、私たちは御言葉のありがたみ、素晴らしさというものを、今日は考えていただきたいと思います。


※ 説教の中で、誤って「山田みすゞ」とご紹介してしまいましたが、正しくは「金子みすゞ」でした。お詫びして訂正致します。

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