協力司祭 ウンベルト・カバリエレ
「配る」と言われると、私たちは子供のように、何かいただけるのか? と期待する気持ちになったりします。それが、ただならば尚更のことです。
そこでいつも心に留めておきたいのは、「ただで受けたのだから、ただで与えなさい」というイエス様の言葉です。
私たちは、神様から多くのものをただで頂いています。愛であり霊である神様は、私たちを神の子にするために、神の愛と霊を私たちに備えて下さいます。徳で飾って下さっています。ここに人の価値があります。このことから、私たちが神様に愛されていることがよく分かります。
まず、私たちは超自然的徳の「信仰、希望、愛」の3つの徳をただで頂いています。私たちは神から超自然的徳をただで頂いているのだから、キリストの教えを守り、積極的に徳を修めるように努めないといけません。神は愛です。神がすべてですよ。足はこの地上に、魂は天にです。
それだけではないです。無限の愛で愛された私たちは、さらに、神様から贈り物を頂いています。聖霊の7つの賜物です。
- 上智——神様を理解でき、その計画がわかる徳
- 聡明——神様の啓示された真理の理解
- 賢慮(けんりょ)——選ぶ能力、判断力
- 勇気——困難を耐え忍ぶ力
- 知識——天的知恵、超自然のものを知る
- 孝愛(こうあい)——神様のみこころを受けとめる、神様の愛に応える
- 畏敬(いけい)——神様への畏れと服従
どうですか? 私たちは皆、神様からの徳をいっぱい頂いて豊かではありませんか? この徳を活用して神様に喜ばれるようにしましょう。
3月2日から四旬節に入ります。今年こそは最高のご復活祭を祝いたいですね。私はお勧めしたいことがあります。十分にお食事を召し上がってください。その代わりに、力いっぱいご復活を祝うために、フランシスコ教皇様が “EL MEJOR AYUNO (最も良い断食)” として書いておられる次のような断食をしてみませんか? フランシスコ教皇様は「これを実行できる人は、平和、信頼、喜び、活気であふれる」と書いておられます。
“最も良い断食”
- 人を傷つける言葉を断食して、親切な言葉を配ろう
- 苦情を言うことを断食して、感謝の心を配ろう
- 怒りを断食して、優しさと忍耐を配ろう
- 落胆を断食して、希望と楽天を配ろう
- 心配を断食して、神様への信頼を配ろう
- 文句を断食して、人生のシンプルなもので自分を満たそう
- 押しつけを断食して、お祈りを配ろう
- 悲しみと苦しみを断食して、心を喜びでいっぱいにしよう
- 自己中心を断食して、他者にあわれみを配ろう
- 許しの欠如を断食して、和解の習慣を配ろう
- ことばを断食して、他者に耳を傾ける沈黙で心をいっぱいにしよう
(筆者翻訳)
(教会報「コムニオ」2022年3月号より)