今年はコロナ感染症が終息しない中、5月のゴールデンウィークは、旅行など外出される人もあって、人出が多かったというニュースがありました。それはオミクロン株の感染者数は高止まりしていますが、あまり重症化しないという情報とワクチン接種率が高まったこともあってか、安心している人が増えたことも理由の一つであるように思います。
しかし感染症の専門家の多くは、連休の外出を自粛するよう提言していました。
海外ではマスクなども含めて、ほとんどの規制が解除された国もある中、それに比べて、確かに日本は慎重だと思います。しかしこの慎重さが日本を助けている面もあるような気がします。「慎重さ」とは、言い換えるならば「賢明さ」と言えるでしょう。この賢明さというものが人を正しく導くのではないでしょうか。
旧約聖書の言葉に「人に賢明さがあれば怒りを遅くする」(箴言19・11)とあります。それは賢明な人はよく考えて行動するので、ただ感情や思いにまかせて行わないということではないでしょうか。
これはキリスト信者にとって大事なことでしょう。私自身、これまであまり賢明さがなかったために失敗や人に迷惑をかけたことが多々ありました。自戒の念を込めてですが、私たちは常に賢明さをもって行動することで人を大切にした生き方ができるのではないかと思います。
主任司祭 西本 裕二