今日、教会は三位一体の神を記念します。三位一体の神の大きな特徴というのは、“一致”です。それぞれ別の存在でありながら、常に一つであるからです。この一つである、一致の姿は、神によって造られた私たち人間もそれぞれが違ったものでありながら、一つになることを神が望んでいることを示しています。

しかし現代、世界や社会の現状を見ますと、泥沼化の様相を呈してきたロシアのウクライナへの侵攻や一向にとどまるところを知らない中国の覇権主義などによる世界の分断、コロナ化の影響による世界経済の悪化、また教会内においても各地でさまざまな問題があります。また家庭では、子供への虐待や親子間での争いなど悲惨な状況があります。そしてこのような状況を考えると「神が望む一致」には、ほど遠いと思わざるを得ないものがあるように思います。

このような多くの問題を抱えている人類共同体、そして各地に広がる教会共同体、そしてそれぞれの家族という共同体が一つの大きな力となって、平和な世界と豊かな社会を築きあげるためには、三位一体の神に倣って、一人ひとりが愛の心をもって、国や個人の違いを乗り越えて、互いに尊敬し、協力し、助け合いながら歩んでいかなければならないのではないでしょうか。

主任司祭 西本 裕二いつくしみのイエス(原画アドルフ・ヒワ)

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