夏と一緒に近づくのが7月7日の「七夕」です。七夕は、日本文化に根ざしたものですが、一昨年、鷺沼教会の時は、教会学校のスタッフが子どもの願いを書いた短冊を吊るした笹を聖堂前に飾りました。子どもたちはみんな楽しんでいました。

またカトリック教会では「七五三の祝い」を行う教会も多くあり、キリスト教でも取り入れている日本の文化や慣習はいくつかあります。しかし、キリスト教の宗派によってはそのような文化や慣習を相容れないものと考え、全く受け入れていないところもあります。

前に働いていた教会で、プロテスタントの方で、カトリック教会に転会を希望して来られた一人の女性がいました。彼女からそれまで通っていた教会について色々話しを聞きましたが、牧師さんから神社やお寺に行ってはいけないとか、お賽銭やおみくじも絶対にしてはいけないなどと言われたそうです。
私はそれを聞いてなんて狭い考えをしているのかと残念に思いました。私自身、神社仏閣の厳かで緑あふれる雰囲気は好きで、旅行したときなどはよく立ち寄ります。天台宗総本山の比叡山や真言宗総本山の高野山にも行きましたが、とても良い体験だったと思っています。

私たちカトリック信者は、日本文化や慣習を尊重し、敬意を払って関わっていく必要があると思います。私たちの信仰の本質が脅かされない限り、人とのお付き合いで神社仏閣に初詣などに行っても問題はないでしょう。一緒に行った友人には自分の信じる神に祈ると伝え、お賽銭は神社仏閣も運営が大変でしょうから寄付してあげれば良いのではないでしょうか。ただ、しっかりとした信仰がないかぎり、新興宗教に入っている友だちの誘いなどは受けない方が良いかと思います。

現在、他の宗教を尊重し、交流を持たれている教皇フランシスコもきっと同じようなことを言われるでしょう。
昔、バテレン(司祭)やキリシタン(キリスト信者)たちも日本文化を尊重していました。その結果、日本社会に大きな影響を与えました。今、日本の伝統文化と思われているものの中にもキリシタンの影響を強く受けたものは結構あります。
「茶道」はもちろん、冠婚葬祭における「結婚式」や「葬式」、またお寺の「檀家制度」などもキリシタンたちの影響ではじまっています。

日本文化の受容は、福音宣教において、必要で大切なことだと思います。私たちカトリック信者は、常に懐深く、人や物事を受け入れ、繋がりを持って、福音を証しして行かなければならないのではないでしょうか。

主任司祭 西本 裕二

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