自分の出来ることで人を幸せにする

クリスマス・コンサート

秋の運動会シーズンを過ぎますと、学校では文化祭やバザーが行われ、音楽も年末近くには多くのコンサートが開催され、「文化の季節」となります。このようなコンサートの中でもチャリティーコンサートを開催する団体や教会もあります。
都筑教会もコロナ禍で中止になっていましたが今日、4年ぶりにチャリティーコンサートが開催されます。チャリティーと言いますとその語源は、カリタス(Caritas)、愛という意味のラテン語で、キリスト教の中心となる教えです。相手の幸せを願って自分を捧げることをキリスト教では「愛」と考えています。そして、このような心で行う活動こそチャリティーと言えるでしょう。

教皇フランスシコは、昨年の「祖父母と高齢者のための世界祈願日」で「優しさによる革命」という言葉を使い始めました。そこで教皇は、世界を変えるのは暴力ではなく、優しさや愛だと説いています。
教皇の言う「優しさによる革命」を実現しようと考えるキリスト信者は少なくありません。自分のできることで人を幸せにする。それは音楽も同じだと思います。特に音楽家と言われる人は、お金ではなく、音楽の力で人を幸せにしたいと望む人が多いでしょう。それこそがチャリティーコンサートの本来の目的だと思います。
チャリティーコンサートは、確かに収益のほとんどを慈善活動に寄付します。しかし、単にお金を提供することが本来の目的ではなく、自分のできることで人を幸せにすることが大事だということです。演奏する人や歌う人は、音楽の力で人の幸せを考えます。またそれを聞く人は、積極的に参加することで人の幸せを考えます。相互の思いが働いて、成功するのではないでしょうか。

ですから今回のチャリティーコンサートにおいて、それぞれの思いが一つになって、多くの人に幸せを届けることができるように心から願っています。

主任司祭 西本 裕二


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