マリアのように人の幸せを考えて積極的に行動する

聖母子(イル・サッソフェッラート画)

新年おめでとうございます。

今年も神社仏閣に初詣に訪れ、家族や自分にとって良い年になるように祈願する方が多いでしょう。キリスト信者も同様、教会を訪れ、家族や自分また世界にとって良い年になるように祈るかと思います。
けれども一年の初めに、単に祈り、願うだけならば、目標のようなものになりかねません。大事なのは〝祈りとともにその実現に向けて、良い年にするように自ら行動する(動く)″ことが大切ではないでしょうか。

カトリック教会は、聖母マリアを祝って一年を始めますので、そのために聖母マリアを模範としていく必要があります。
マリアのエリザベト訪問の出来事を考えるとき、彼女は親類のエリザベトが高齢で妊娠されたのを聞いて、きっと大変に心配して、神に祈ったでしょう。しかしマリアは単にそれだけに留まらず、ご自身が身重でありながら、急いでエリザベトのところへ出かけて行き、彼女の身の周りのお世話をされました。それによってエリザベトは無事に出産し、喜びに満たされたのです。

教会が新年の最初に「神の母聖マリアの祭日」を制定したのは、この一年を聖母マリアのご保護に委ねるとともに、おそらくマリアのように人の幸せを考えて積極的に行動することを求めているからだと思います。
「なる」と「する」とでは大きな違いがあります。「なる」は受け身的で、何かそれを待っているだけのように感じます。「する」は能動的です。マリアのように物事を自分の事としてとらえ、自らの意志で進んで動く。これが良い年になる秘訣ではないでしょうか。
ですから、どうぞ皆さんも今年が本当に家族にとっても、世界のすべての人にとっても良い年となるために、マリアのように自分のできる行動、たとえば人の手伝いをする、物を大切にする、電気を大切にする、ゴミを少なくするなど、身近なことから積極的に行っていくように致しましょう。

主任司祭 西本 裕二


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