ご復活[部分](シモン・チェホヴィッチ画)

主のご復活おめでとうございます。

日本人にとって復活祭(イースター)は、あまり馴染みのないイベントです。クリスマスは定着していると思いますが、それはなぜでしょうか。
その一つには、クリスマスは12月25日とはっきりと日にちが決まっていますが、復活祭は、移動祝日で毎年、日にちが変わるからではないかと思います。毎年移動すると一般の人にとってはイベントとして受け入れ難いのではないでしょうか。
ユリウス暦を使っている東方教会に対して、グレゴリウス暦を使っている西方教会(カトリック教会、プロテスタント諸教会)では、復活祭は3月22日~4月25日の間の日曜日となっています。そして、復活祭の日にちの決め方は、ご存じのように春分の日(3月20~21日:日本以外は国民の祝日ではないが世界共通)から最初の満月が出て、すぐ後の日曜日となります。
春の訪れを感じる良い季節ですが、ただ日本ではもう一つの馴染めない理由があります。それは3月から4月にかけて、年度の変わり目にあたることです。欧米は9月の年度初めがほとんどですが、日本では学生は卒業式や入学式、社会人は入社式や部署の異動、また転勤による引っ越しなど様々なことが行われますので、ある意味、心身ともに落ち着かない時期でもあるので、なかなか復活祭が定着しないのかもしれません。しかし最近、テーマパークなどでイースターイベントが行われています。ですからイベントとして一般に定着していなくても、言葉として知られるようになってきているように思います。

このような日本の状況において、信者の方の中には事情によって復活祭に与れない方もいるでしょう。けれども信者として、復活祭はクリスマスより重要な祝いです。それは使徒パウロが「キリストが復活しなかったのなら、私たちの宣教は虚しく、あなたがたの信仰も虚しいのです」(Ⅰコリント15章14)と言われたように、キリストの復活は、私たちキリスト信者の“信仰の根幹”に関わるからです。
仕事や家庭の事情で復活祭のミサに与れない場合でも「残念」とか「与りたい」といった思いは、つねに持っていて頂きたいと思います。
高齢の信者の方で、病気などで教会のミサに与れないことを本当に残念がっている方が結構います。これは信仰の一つの現れでもあると思います。

この復活祭、皆さんにとって、待ちに待った嬉しいものとなりますように。

主任司祭 西本裕二


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