花とミツバチ

先日、鳥越神父から突然「サレジアンレジデンスの中庭にサレジオ学院の部活の一環として、養蜂の巣箱を置いたからよろしく。近寄らなければ心配ないから」と言われ、少し不安に思いつつ、昼食後、中庭に見に行くと、木製の巣箱が2つあって、結構な数のミツバチが巣箱の周りを飛んでいました。
巣箱のすぐ横にあるサレジアンレジデンス第2棟の玄関は、平日の朝ミサで都筑教会の信者の方が来るので「大丈夫かな」と最初心配していましたが、数週間が経っていますが、今のところコンクリートの隙間から玄関前に一匹もミツバチは入って来ていません。
そこでミツバチの習性をネットで調べて見たところ、特に日本ミツバチは巣箱に近づいても刺されることが少なく、とても大人しい性質ということです。
また活動を見守るだけなら作業服は不要で、ハチミツを採る仕事をしている方の中には作業服を身につけないでやる方もいるそうです。

私を含めて多くの人は、ハチに区別をつけず、攻撃性が高く毒性の強いスズメバチなどと同類に考え、「怖い」「気持ち悪い」「ずっと飛んでいる」などと思って警戒しているのかもしれません。
これはある意味、「偏見」や「先入観」と言えるでしょう。私たちはこのような「偏見」や「先入観」は、ハチだけでなく、人に対しても持っているものです。相手をよく知らないのに、「あの人はこういう人だから」と決めつけているところが皆さんにもあるのではないでしょうか。しかし、もし自分がそのような見方をされていたら、とても辛いものがあり、やる気も起こらないでしょう。

イエスは、「偏見」や「先入観」を持たず、誰に対しても分け隔てなく接していました。それどころか、「この人なら大丈夫」、「何とかやってくれる」、その人の将来に期待して、信頼をしていたからこそ、罪人も含めて、多くの人たちは、イエスに対して喜んで従っていったのではないでしょうか。
私たちもイエスのように、人とのかかわりにおいて、つねに期待と信頼を持つことが何よりも大事になってくるのではないかと思います。

                        主任司祭 西本 裕二


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