5月6日は聖ドメニコ・サヴィオの記念日でした。彼は都筑教会の保護聖人として教会玄関フロアに聖像が置かれています。ドメニコ・サヴィオを保護聖人としたのは、もちろんサレジオ会が担当する教会として、若者たちを守り、導いてもらうためであるでしょう。
もう一つには、ドメニコ・サヴィオは、若者だけでなく、すべてのキリスト信者の模範でもあるからだと思います。
ドメニコ・サヴィオは、7歳で初聖体を受けたとき、すでに自分の信仰生活の目標を立てました。「しばしばゆるしの秘跡を受けること。毎回聖体拝領をすること。祝祭日を聖なる日にしたい。イエスさまとマリアさまが僕の友だちであるように」と。とても7歳とは思えないほど信仰において成熟していたと言えます。
またドメニコ・サヴィオは、12歳のときに聖ドン・ボスコが運営するオラトリオに入学しました。それまで彼は、食事のときはパンと水だけであったり、夜はベッドに寝ないで硬い石床の上で寝たりと、まるで修行僧のように、いろいろな苦行をしていました。そんなある日、彼は、自分の生涯の目標をドン・ボスコに打ち明け、相談します。「僕が聖人になれるように助けてください」と。するとドン・ボスコは、ドメニコが苦行をしていたことを知っていたので、それを止めさせて、次ぎの3つのことを勧めます。「いつも喜びを保ち、朗らかでいること。勉強と信心の務めを熱心に果たすこと。皆に親切にし、友だちを助けること。」
ドメニコはこれらの勧めを聖人になるためにひとつひとつ頑張って実行しました。彼は15歳という若さで病気のために天に召されましたが、殉教者をのぞいて、最も若くしてすべての信者の模範として1954年に聖人に列聖されました。彼がドン・ボスコの指導のもと、実行した信仰のわざは、修道生活のような特別な生き方ではなく、誰にでもできる生き方です。
つまり、大人もドメニコのように日常生活の中で、喜びを大切にし、自分に与えられた仕事や役割を熱心に果たし、人に親切にし、困っている人がいたら助けることで、聖人になれるということです。
神はすべての人が聖人になることを望んでいます。それは聖人が特別な人ではなく、永遠の救いを目指して生きた人だからです。ですから、私たちもドメニコ・ザヴィオのように、永遠の救いを目指して、日常生活の中の小さな行いを大切にして、心を込めて果たすように致しましょう。
主任司祭 西本 裕二