子供たちを祝福するイエス(ニコラス・マース画) 長崎にいた時、純心聖母会のシスターから突然に電話がありました。それは上智大学神学部の同級生であったシスターでした。長崎教区の人事のお知らせを見て、私が長崎に来たことを知ったそうですが、実に30年ぶりに彼女の変わらない声を聞いたときに、驚きと同時に懐かしさを感じました。

その際、同級生に純心聖母会のシスターがもう一人いたので、彼女は今どうしているのかを尋ねますと、10年ほど前に修道会を退会したこと教えてくれました。正直、残念に思いましたが、その後すぐ、シスターが私に「でも今、彼女は子供とかかわる仕事で頑張っている」と話してくれたのです。それを聞いて安心したのは、彼女がシスターを辞めても、修道会で培った奉仕の精神で一生懸命に生きていると納得したからです。

〝奉仕の精神″ は修道者だけでなく、すべてのキリスト信者が身につけなければならない愛の精神でもあります。私たちが奉仕の精神をもって生きるとき、キリストの心で他者への愛を生きることにつながっていくからです。

ですから、私たちキリスト信者は、この奉仕の精神をしっかりと身につけて、どんな職業や状況であっても、それを喜んで生きることが神から求められているのではないでしょうか。

主任司祭 西本裕二

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