今年のノーベル物理学賞の一人に日本人の真鍋淑郎さんが受賞しました。専門分野は気象物理学というもので、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが地球の気候に重大な影響を及ぼすことを証明し、地球温暖化というものを先駆けて発表した人です。今回の受賞によって、地球温暖化や気候変動に対する世界的な関心が一段と高まることを期待しています
一昨年、アメリカはトランプ大統領の時、パリ協定から離脱することを表明しました。アメリカは温室効果ガス排出量が世界第2位にもかかわらず、この離脱表明は、世界が共に温暖化などの気候変動から地球を守ろうという思いを根幹から揺るがすものであったと言えます。そのため世界各国から懸念の声が上がりました。しかしバイデン大統領になって、気候リーダーズサミットで2030年までに二酸化炭素排出量を50~52%削減することを約束し、日本もアメリカに追従するかのように2030年までに二酸化炭素排出量50%削減の高みを目指すことを表明しています。
教皇フランシスコは、回勅『ラウダート・シ』をとおして、地球は私たちの家であるとし、地球が上げている叫びに耳を傾け、人類共通の家を保全し、責任をもってその美しさを守るために私たち一人ひとりが変わっていくように呼びかけています。
ですから、もし世界の多くの国々の協力が困難であったとしても、私たち一人ひとりが教皇のよびかけに応えて、気候変動から地球を守るために、節電や節約など自分のできる小さなことを実行するように変わっていけば、この大切で美しい地球を守ることができるだけでなく、神の国の完成にも近づくこともできるのではないでしょうか。
主任司祭 西本 裕二