四旬節も佳境を迎えましたので、再び「四旬節」について思い起こしましょう。
四旬節の「四旬」とは40日間を意味します。典礼の色は「紫」で、今、司祭たちは紫の祭服を着てミサを行っていますが、この紫は暗闇や苦しみをあらわします。ですから「40」という数は、特にイエスのなさった断食の苦しみの期間とイエスの受難と死と合わせて、長い苦しみの期間を象徴しています。
四旬節は、英語では「レント “Lent”」と言います。春という意味のゲルマン語から来ていますので「春(復活)を待ち望む期間」とも言われます。
また四旬節は、一年の典礼暦の頂点となる復活祭(イースター)を準備する季節です。この典礼の季節は、本来、洗礼を受ける人の準備の期間であると共に、復活をふさわしく迎えるように、キリストの受難を思い起こし、回心に励む期間としての特徴もあります。
また四旬節は、灰の水曜日から始まり、その前日まで世界中でカーニバル(謝肉祭)というお祭りが行われます。特にリオのカーニバルなどが有名ですが、これは四旬節に入る前に、盛大に踊って食べて騒いで、その後は、歌や踊りを控え、肉食を断って、キリストの受難を悼みます。ですから、カーニバルという言葉は、ラテン語の “Came levarel” (肉よ、さらば!)に由来しています。
いずれにせよ、私たちはこの四旬節、何よりもキリストの受難と死を思い起こし、祈り、節制、愛の業に励み、回心をもって、新たな心で神に向かっていくように致しましょう。
主任司祭 西本 裕二