今日8月6日から15日まで「平和旬間」となります。私たちは毎年、平和を考える機会を持ちます。しかしこの期間、私たちはキリスト信者として、“平和を追求しなければならない使命”があるにもかかわらず、真剣に平和について考えているでしょうか。

気をつけなければ、平和ボケして自分の周りで起こる小さな事だけに心を向けて、今、世界で起こっている戦争や気候変動など、本当に大事な事に無関心で過ごしてしまいがちです。
ロシアのウクライナ侵攻問題は、今、各国が両国に対してそれぞれに武器を提供することで戦闘が激化し、世界平和を脅かしています。また世界温暖化の問題も国連事務総長が「世界沸騰の時代」が来たと言って警告し、これまで以上に各国が気候変動の対策をするよう訴えています。このような問題は、私たちが人類の一員として、人間の尊厳や地球を守るという意識がなければ解決できないことではないでしょうか。

教皇フランシスコは、『ラウダート・シ』を著しました。この回勅は、主にエコロジーについて書かれているものですが、戦争で街の破壊を繰り返すことも関わっていると思います。それは地球という「家」を人類という「家族」で守ることは、環境を守り、また命の尊厳を守ることでもあり、そして平和を実現していくことにも繋がっていくからです。

神は、まさに「毒麦のたとえ」(マタイ13.24-43)などのように、人間に実りを求めています。それゆえに、この世をすぐに裁かずに忍耐を持って見守り、人間が互いに協力して、この地球や人類を守ることを望んでおられると思います。ですから、実行して実りをもたらさなければ、審判のときに私たちはみんなその生き方によって裁かれるでしょう。

私たちは互いに協力して、神の望む世界を築いていかなければなりません。今、世界は存亡の危機にあります。そろそろ私たちは平和について真剣に考え、実際に取り組んでいかなければならない時ではないでしょうか。

    主任司祭 西本 裕二

 

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