助任司祭 土屋 茂明
自分の道はどうしても聖人になる道だと、心に深く思い定めていたドメニコでした。ドン・ボスコの勧めは、しばしば告白すること、良く準備して聖体拝領をすること、霊的なことを相談するために聴罪司祭を1人選ぶことの3つでした。
ドメニコは1人を選んで、決して替えませんでした。彼はドン・ボスコの学園(オラトリオ)に来てから、すぐに自分の心の状態を良く判ってもらうために、総告白をしました。初めには15日ごとに告白し、聖体をいただきましたが、その後、ドン・ボスコは毎週、告白するように勧めました。そして、週に3回の聖体拝領を許し、ドメニコの熱心な信仰を見て、その年の暮れには毎日の拝領を許したのでした。
友だちがドメニコに「時々、聴罪司祭を替えるほうがいいよ」と勧めたときも、これを受け入れず、「聴罪司祭さまは、心のお医者さんだから、病気のときに、お医者さんをやたらに替えるのは良くないように、聴罪司祭さまもやたらに替えない方がいいのです」と言うのでした。ドン・ボスコも、特別な機会とか祭日には、聴罪司祭を替えることはいいのですと教え、ドメニコはそれに従いました。
ドメニコは、心を清めてくれるこの告白を愛し、告白するたびに元気づけられたのです。そして、友だちにも、機会あるごとに告白するように勧めていました。
ドン・ボスコはゆるしの秘跡を、自分の教育の中で非常に大切にしていましたので、ときには野外でも少年たちの告白を聞いていました。
★ 最近、ゆるしの秘跡を受ける人が少なく、年2度の共同回心式のときだけに限られるなど、かなり疎遠になる傾向が見られます。そんなことから、横浜教区典礼委員会は『ゆるしの秘跡 ― そのすばらしさの再発見』という小冊子を出しています。