アイキャッチ用 田中神父の今週の糧

15)天国=マリア様・ドン・ボスコと会える場所

ドン・ボスコの伝記から、彼の最後の日々にマリア様との関わりの中で印象深いエピソードを取り上げたいと思います。

1887年12月のある夕方、30人ほどの高校生がドン・ボスコの部屋に上がり、赦しの秘蹟を望んだ。ドン・ボスコは「恐らく最後になるだろうから」と承諾した。実際それが最後になったが、終了したときに言った。「早く天国に行きたい。天国ではもっと子供たちのために働くことができるでしょうから……」と。

死ぬ40日ほど前「扶助者聖母の御絵」にようやくのことでペンを取り、記念の言葉を記した。それが彼の絶筆になった。

  1. 「早く善をしなさい。もうそんなに時間がありませんから」
  2. 「もし良いことをすれば、この世でも来世でも幸せになるでしょう」
  3. 「若者は、イエス様とマリア様の喜びです」
  4. 「マリア!! あなたは私の救い」

1888年1月29日、その当時の典礼では、聖フランシスコ・サレジオの祝日で、最後の聖体拝領をした。夕方になり、扶助者聖母の大聖堂のお告げの鐘が鳴り響いた時、マリア様に小さな声だったがご挨拶した。
“Gesu, Maria, vi dono il cuore e l’anima mia.”
“Madre aprimi le porte del paradise !! ”
“イエスさま マリアさま 私の心を御手に委ねます”
“マリアさま どうか私に天国の門を開けて下さい”
ドン・ボスコは何回も何回も繰り返してお祈りを捧げていた…………

1888年1月31日4時45分頃、お告げの鐘が鳴る少し前、生涯「聖母の熱愛者であったドン・ボスコ」は30人ほどの会員の見守る中、静かに息を引き取った……。

主任司祭 田中次生

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