新しい『ローマ・ミサ典礼書の総則』に基づく変更について

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11月29日から始まる待降節から、典礼に関していくつかの変更がなされます。「ローマ・ミサ典礼書の総則」改訂日本語訳がローマの典礼秘跡省の認証を受けたからです。ただし、「ミサの式次第」(司祭と信徒の祈りの応答文の変更など)はまだ交渉中で認証がおりていないため、先延ばしになっています。今回の変更の背景を少し説明いたします。

1965年に終了した第2バチカン公会議によって大きな刷新と改革が行われました。“源泉に戻れ” “aggiornamento(今日化)” “開かれた教会”といったスローガンが叫ばれ、公会議後、典礼に関しても大きな変更が実施されました。ローマ・カトリックでは1967年までは、世界中どこでも、ミサはラテン語でなされていました。ピオ5世の主導で、“秩序と統一”の旗印のもと400年間、同じ教え、同じ祈り、同じミサという Uniformitas が強調され、同じラテン語のミサ、同じカテキズモ、同じ祈りが使用されてきたわけです。歌もグレゴリオ聖歌が一般的でした。公会議以降、各国の言葉と文化の中でミサが捧げられ、特有の聖歌が作曲されていきました。しかし、ある地域や国・団体では、やや行きすぎや逸脱がみられるようになったことも事実です。そこで、バチカンの典礼秘跡省は新ミサ典礼書の総則を出す必要に迫られました。世界標準版(ラテン語)を出して、各国の司教団はそれぞれの言語・文化・状況に翻訳適合させる作業を行い、バチカンと最後の詰めを行っているわけです。今回は、バチカンに認証された点についてだけ、変更の指示が出されました。

今回の変更は、例えば、次のようなものです。

  • 司式司祭はアルバとストラだけでなく祭服(カズラ)を着用する。
  • 主日、祭日の際、祭壇には4本~6本のローソクを使用する。
  • 内陣のどこかに磔刑の十字架が見えるようにする。
  • 入退堂の際、祭壇だけでなく、聖櫃にも礼をする。
  • 福音朗読の前に、司祭と同様、額、口、胸に3つの十字を印す。

鷺沼教会ではすでに実施している事柄が多いのですが、変更しなければならない点もあります。待降節前に、典礼の方から指示があると思いますが、その際はどうぞ、ご協力ください。

主任司祭 松尾 貢

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