​若者とともに、26日間のシノドス終了

アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

七五三を祝う今日、この子たちが成長したときの日本や世界はどうなっているのか考えるとフト不安な気持ちがよぎります。そんな私たちの心情を察してか、フランシスコ教皇様はこのところ、相次いで喜びや希望についての公文書を発表し、励ましてくださっています。使徒的勧告『福音の喜び』、使徒的勧告『愛の喜び』、使徒的勧告『喜びに喜べ』(2018年3月)などです。『喜びに喜べ』から一部抜粋してみましょう。

122“ここまで述べたことは、臆病で悲しげで不愛想で沈んだ心とも、生き生きとした表情のない顔とも違います。聖なる人とは、喜びと、ユーモアのセンスを持って生きることのできる人です。現実に立脚することを忘れず、前向きな希望のある心で人々を照らします。キリスト者であることは、「聖霊によって与えられる……喜びなのです」(ローマ14:17)”

 125“つらいとき、十字架が重くのしかかると気はありますが、何ものにも、超自然なる喜びを打ち砕くことはできません”

126“キリスト者の喜びにはおしなべてユーモアのセンスがあり、なかでもそれが顕著なのは、聖トマス・モア、聖ヴィンセンシオ、聖フィリッポ・ネリなどです。不機嫌なのは聖なる人ではない証拠です”

先月10月にローマで開催された「若者」をテーマとするシノドス(世界代表司教会議)には267人の司教が参加しました。若者の参加は34名でしたが、3月の準備ミーティングには300名の若者が直接参加した他、インターネットを通して世界の10万の青年たちが質問書への回答を寄せたそうです。シノドスの最終文書は、<カトリック教会とその信者全員は、青年たちに対してもっと聞き上手になり、その疑問を真剣に受け止めて、忍耐強く歩みを共にして、信仰を生きる最善の道を識別するための助言を提供しなければならない>と強調しています。

故溝部脩司教は司教退任後、京都の西陣教会に望洋庵を開所して、青年たちとの学びと分かち合いの場をつくりました。「本物を示せば、青年は集まってくる」が溝部司教の信念でした。一人の青年は語っています。“望洋庵聖堂の古い板敷きに腰を下ろし、晩の祈りを捧げられた闘病中の司教様の眼差し、この眼差しの先に本物があるように私は思った”と。

主任司祭  松尾 貢


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