SDGs (持続可能な開発目標)

SDGs (持続可能な開発目標)

最近ニュースなどで耳にする機会が増えました「SDGs」という言葉があります。これはご存知のように国連が提唱している国際社会が取り組むべき「持続可能な17の開発目標」のことです。なぜ今「SDGs」が話題になっているのでしょうか。

一つには世界全体が共有する危機意識の高まりがあると思います。地球環境は深刻な課題を数多く抱えています。エネルギー問題でもCO2排出の増加による温暖化によって、世界中で異常気象や自然災害が増加しています。

一方、社会では国際紛争の影響もあって貧困や差別が増加し、未解決のままです。
では、このような「SDGs」とキリスト教は無縁なのでしょうか。教皇フランシスコは、2015年に国連のすべての加盟国が全会一致で採択した「持続可能な開発のためのアジェンタ2030」の重要性を強調し、またその採択から3年半、教皇庁主導で「宗教と持続可能な開発目標(SDGs)に関する国際会議を世界の宗教指導者を集め、3日間にわたって開催しています。

このように教皇は、カトリック教会の最高指導者として、常に「SDGs」に関心を寄せ、平和への取り組みとして、それぞれの問題について発言されています。つまり教皇は「持続可能な開発目標」の世界的なパートナーシップの一員として、キリスト教も役割があると言っているように思います。
「SDGs」が“誰一人取り残さない”取り組みになることを国連は目指しています。これはキリスト教の精神にも繋がるものと言えるでしょう。

ですから、そのために『ラウダート・シ』で指摘されているように私たちは「地球と貧しい人びとの叫びを聴かなければならない」ということです。

キリスト教こそ今の時代の苦しむ人びとにアンテナを張り巡らして、それぞれの叫びに耳を傾け、応えていかなければ、教会の存在意義は失われてしまうでしょう。
私たちは「SDGs」がすべての命を大切にすることを考えて、できることから取り組んで行かなければならないと思います。

その一つとして、まず日本の貧困に関心を持って、知ることが大事です。それからそのような人たちのために祈り、分かち合っていくことが必要ではないでしょうか。

主任司祭 西本 裕二


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