聖ドメニコ・サヴィオ 列聖50周年記念特集

(6)ドメニコ・サヴィオとご聖体

助任司祭 土屋 茂明

ドン・ボスコ著の「ドメニコ・サヴィオ伝」13章のタイトルは「告白と聖体との秘跡に対する熱心」となっています。ドン・ボスコがいつも大切にし、こどもたちに勧めていたことですが、ドメニコもその勧めに熱心に従っていました。そして、自分の友だちにも機会を捉えては勧めていたのです。
聖母マリアに対する信心も際立っていて、ドメニコの呼びかけで、無原罪の聖マリア信心会 Compagnia dell’ Immacolata が結成されています。そのきっかけとなったのは、ある日の出来事でした。

1856年のある朝、ミサを捧げていたドン・ボスコが聖体拝領をさせるために振り向くと(当時、司祭は信徒に背を向けてミサを捧げていた)聖体拝領台には誰もいなかった。普通なら十数人の生徒が拝領しており、主日にはほとんど全員が拝領していた。ドン・ボスコは悲しそうに聖体をおさめたのである。
朝食のあと、善良な生徒たちが集まって相談し、聖体の会をつくって、せめてひとりでも聖体拝領をするように取決めをしたのですが、ドメニコはただそのためだけでなく、ドン・ボスコの願う、もっと生徒全体の向上に寄与するような会を結成しようと考えたのでした。
早速、熱心な友だちが集まり、27条からなる規則を決め、ドン・ボスコに見せ、許可を願いました。ドン・ボスコは賢明に、7つの条件をつけて許可しました。この規則の全文はドン・ボスコ著のドメニコ伝に記されていますが、生徒として、キリスト信者としての、聖性への道が見事に示されているのです。
1856年6月8日、彼らは聖マリアの祭壇の前で、この規則を読み上げ、その実行を誓いました。実に、ドメニコ・サヴィオ死去の9ヶ月前のことでした。この信心会のメンバーからはサレジオ会員が輩出し、その初代の会長ルア少年は、後にドン・ボスコの後を継ぎ、サレジオ会総長となりました。

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