カトリック教会は、伝統的に11月を「死者の月」として、お墓参りやミサなどで亡くなった方々を思い起こし、祈りますが、これは11月2日を「死者の日」として定められたことに由来しています。また死者の日の前日11月1日を「諸聖人の日」としているのは、全く関係なさそうに思いますが、実は深い関係があるのです。
信仰宣言の中で「聖徒の交わり」(かつて“諸聖人の通功”と訳された)というものがあります。これは祈りのつながり、救いのサイクルといったものを示しています。それは有名無名を問わず、すでに救われて天国にいる人、煉獄で救いを待ち望む人、そしてこの世にいて救いを切望する私たちは、キリストに結ばれた者として、つながっていて、お互いに祈りあって救われていくというものです。天国にいる人も、煉獄で救いを待ち望む人も、この世で救いを切望する人も、教会は「聖徒(諸聖人)」と呼びます。いつの日か共に神の国に集う人たちだからです。
ですから、私たちは煉獄にいて、まだ完全に救われていない霊魂のために祈ることが自分の救いにとって、いかに大事なことかが分かるでしょう。
どうぞ、年に一度のこの「死者の月」を無駄にしないで、時間のあるときに、皆さんの亡くなった家族や親族、また友人や知人を思い起こし、小さな祈りを捧げるように致しましょう。
主任司祭 西本 裕二