聖チプリアニ司教は、終わりにあたって、短い結びで締めくくろうとされる。なぜなら、最後に主は「私たちを悪よりお救いください」と言われるが、人間のもっとも大事な救いを考えると、最終的には主の支え助けがあればこそ実現するからである。人生の途上の落ち度、失敗や罪などは、死を迎える時の、主の支えによる悔い改めがすべてをゆるされるからである。私たちが、祈り願えば、この世にあって、悪魔が私たちに敵対し種々の逆境をもたらすときでさえも、主の助けと支えで、私たちは、強い心で最後まで主の掟に忠実であるように守られるからである。
悪よりお救い下さいと祈るならば、悪魔の働きとこの世の悪業に対して、いつも安全かつ安らか、なおかつ平和な心で過ごすことができよう。それ以上何を望むだろうか。
神の守りがあるならば、この世のいかなる勢力にも恐れることはないのである。

紆余曲折しながらも、運よく、任期の終了と同時に、チプリアニ司教の「主の祈り」の解説を終えることができたことを嬉しく思います。主のご加護を祈ります。

主任司祭 長澤幸男

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