アイキャッチ用 田中神父の今週の糧

年が明けての企画でしたが、お知らせの原稿を書くのを忘れていたのに、急に「今日中に出すように」と言われて、あわてて書けるテ-マはこれしかありませんでした。

数万人といわれる日本の殉教者たちのなかで、名前と殉教年月日等の資料のある殉教者は、最低でも5,500人はいると言われています。その中で「どんな基準で188人が選ばれたのか」は私たちにとっても興味があります。列聖列福特別委員会の委員長、溝部脩司教さまは選択の五つの基準を上げています。

  1. 日本人を取り上げる。しかも、1624年以降の迫害のもっとも激しい時の殉教者にしぼる。1867年に列福された205福者以降時代に焦点を当てた。
  2. 日本の教会全体を配慮する。東北から九州までの各地域・各教区の殉教者を含める。
  3. 「信徒の時代」と言われる現代の日本の教会の一つのモデルとしても考えたい。司祭不在のキリシタン達の信仰を守り抜いた「形・道」を考えるチャンスとする。
  4. 現代社会の弱者とみなされる女性、子供、障害者に焦点を当てる。
  5. 代表的な司祭を選ぶ。

司教さまが繰り返し言われていることですが、「現代社会と日本の教会の活性化のためのメッセ-ジ」として、188人の列福を考えたいと思います。見栄をはって列福のために多額のお金を使わなくても・・・と言うような反対意見もあったということですが、現代の教会のあり方、現代社会に生きている私たちにとって避けて通れないことをしっかりと考える一つのきっかけにして欲しいという気持ちが伝わってきます。「聖人・私に関係のない立派な人」という受け取り方ではなくて、私達の身近に、手の届く所にいる先輩として殉教者たちを、生活の中に受け容れて欲しい、との願いがそこにこめられています。これからの一年間、先輩たちをみつめながら、私達の生活の中でそこから学んだことを実践して行きたいと思います。

主任司祭 田中次生

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