列福をひかえともに祈る7週間 ―「テ-マ1・み言葉と確かな信仰」―

アイキャッチ用 田中神父の今週の糧

今日の「テ-マ1・み言葉と確かな信仰」でディエゴ加賀山隼人が殉教を前にして妻と3人の娘に贈った言葉が記録されています。その3人の娘の長女マリアみやは小笠原玄也に嫁ぎ、一家と奉公人とともにキリシタンとして捕らえられました。各自が遺書を書いた中で、玄也は「キリシタンを辞めないということで牢に入れられるという命令があったので、親子共々全部で15名が座敷牢に入りました。」みやは「女性でありながら、このような殉教の誉れを受けることができることは、何とありがたいことでしよう。言葉に表して言うことさえ出来ません。どうしても捨てることのできない宗教ですので、このようなことになりました」と書いたのです。一族は50日間座敷牢で拷問の責め苦をしのんだ後、自分たちの信仰告白を斬首刑による殉教で、証明したのでした。

イエスさまは弟子たちに質問しました。「人々は私を誰だというのか」と。弟子たちは「洗礼者ヨハネ……」などと答えました。しかしイエスさまはさらに「ではあなたたちは私を誰だと言うのか」と質問しました。ペトロが「あなたは生ける神の子メシア」ですと答えたのでした。イエスさまは、ペトロの信仰告白を喜んで受け取られました。

人がとか、世間ではとか、日本ではとかではイエスさまは納得されません。大切なのは「あなたは」です。イエスさまは私たちにも質問されます。「あなたは“私を誰だというのですか?”“あなたにとって私=イエスとはどんな意味があるのですか?”と。この度列福されるペトロ岐部神父と187人の殉教者たちは、それぞれの言葉の違いはあっても「あなたは生ける神の子キリスト」ということを、同じ血を流すことをもって、告白したということができます。

今日、ペトロ岐部神父と187人の殉教者たちにかこまれているイエスさまのまえで、私たち一人一人も「私の信仰告白」をしたいと思います。

主任司祭 田中次生

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