11月、死者の月を間近にひかえて

アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

鷺沼の志願院で養成担当をしていた時のことです。志願生がいろいろお世話になっていた関係で学校の用務室で雑談をすることがよくありました。ある時、用務の方からこんな質問を受けたことがあります。

「先生、信者の方がつけるクリスチャンネームはいくら位するんですか。マリアさんとかヨゼフさんの名前が一番高いんですか?」
「いいえ、どんな名前を選ぶかは自由ですし、お金は要りませんよ」

どうやら、仏教の戒名と同じようなものだと考えておられたようです。

私たちは毎日曜日、説教の後、使徒信条あるいはニケア・コンスタンチノープル信条を唱えます。その際、“聖徒の交わりを信じます”と祈ります。この「聖徒の交わり」(以前は「諸聖人の通功」と呼ばれていた)について『コンペンディウム』では次のような説明がなされています。

「この表現は、第1に、教会の成員すべてが共通して聖なる事柄(ことがら)に参与していることを指します。聖なる事柄とは、信仰、秘跡、特に聖体、カリスマ。その他の霊的賜物です。交わりの根源には愛があります。

第2にこの表現は、聖なる人々の交わり、すなわち死んで復活されたキリストに恵みによって結ばれた人々の交わりをも指します。彼らのうちのある人々は地上を巡礼しています。ある人々は、この世の生活から去り、今は私たちの祈りにも助けられて自分を清めつつあります。そして、他の人々はすでに神の栄光を享受し、私たちのために執り成しています。これらすべての人が共に、三位一体の賛美と栄光のため、キリストのうちにただ一つの家族である教会を形づくっています」

まもなく迎える11月、私たちは栄光の教会(天国)のメンバーに執り成しを求めるとともに、浄めを必要としている教会(煉獄)のメンバーのために祈りをお捧げしましょう。また、お盆やお彼岸の際に熱心に墓参をなさる仏教の方々にならって、この11月に墓参もしたいものです。

主任司祭 松尾 貢

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