ロロピアナ神父様、ありがとうございました。

アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

イタリア語に「 ACCOGLIENZA 」という単語があります。“歓待”“人を温かく迎える姿勢”といった訳語があてはまる言葉です。ロロピアナ師の最大の特徴は、この「アッコリエンツァ」だと思います。

1983年から、鷺沼にあったサレジオ志願院で志願生養成担当をしていたとき、ロロピアナ師は別府教会の助任司祭と幼稚園園長をしておられました。<将来の司祭を育てる>という共通の信念に燃えていた、ロロピアナ師と小笠原師と私は、連携を密にとって召命発掘と養成のために日夜奮闘しておりました。ロロピアナ師は毎年、九州地区の信者の子供達を大勢集め、幼稚園バスに乗せて関西汽船フェリーで大阪南港、そして野尻湖の聖書学校に連れて来て、聖書学校のスタッフを務め、また運転して九州まで戻ることを長らく続けてくださったものでした。別府教会が川崎サレジオ中学の九州試験場になった年もありました。

長崎、五島、九州各地、どこでも見込みのありそうな子どもがいると聞けば、すぐに車を飛ばして家庭訪問をし、持ち前の明るさで父兄に安心感を与える見事な術と労を惜しまない師の姿は召命司牧の大きな力でした。例えば、鷺沼教会の教会学校、ジュニア会を長い間面倒みてくださった浜辺正師のケースは今でも語り草になっています。

冬休みが終わったある日の志願院の夜食のときでした。兄の浜辺稔君との会話の中で、小学校6年生の弟がいるということがわかったのです。聖書学校に参加していなかったので、志願生候補にリストアップされていなかったわけです。中学入試の願書締め切りまであと一週間。時間的な猶予はない。そこで、別府のロロピアナ師に電話でお願いしました。「すぐに五島の久賀島に行ってください」。もちろんOK。翌朝早く、別府から長崎空港へ愛車をとばすロロピアナ師の姿がありました。大村からセスナ機で福江島に飛び、海上タクシーで久賀島の浜辺宅に直行。親子を説得、願書の記入をお願いし、すぐに速達で学校に送付してもらったわけです。

あの即断即決の行動がなかったならば、現在の浜辺師はなかったと考えると感謝の気持ちがわいてきます。ロロピアナ師の面目躍如、素晴らしい実りの一例。これからもその素晴らしさを碑文谷の地で活かしていってくださるはず。2年間の感謝をこめて、” Tante Grazie “。

主任司祭 松尾 貢

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